暗譜のしかた

暗譜には、二つの要素があるように思います。

一つは自分の弾く曲を頭の中で再現する「頭の」記憶です。和音を含めて頭の中で音楽が曲の最後まで鳴らせますか?これはソルフェージュ能力が手助けしてくれます。

もう一つは「手指」での記憶。私の友人の中には、手のポジションで覚えている、という人がいました。そこまででなくても運動を重ねて覚えていく、つまり練習で身体が覚えているという状態にすることです。

本番で弾くためにはこの手指の記憶が実はとても大事です。本番は誰でも緊張するでしょう。緊張や集中が途切れることによって「頭の記憶」が飛んでしまうのは誰にでも起こります。けれど「手指の記憶」をしっかりさせておけば「頭が真っ白」になっても手がまるで自動運転のように動いてくれるのです。そこまでするのが練習の目的の一つだと考えています。

この2つの記憶はどちらが欠けてもいい演奏にはなりません。練習して「手指の記憶」ができてしまうと、頭では「今晩のご飯なにかな?」なんて考えながら弾けますが、もちろんこれでは人を気持ちを動かす演奏は出来ませんよね。

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