これだけは
長く暑さが続いた今年の夏でしたが、秋が深まりつつある気候になってきました。行事も多くなる時期でもありますね。
勤め先の音楽教室ではこの時期にピアノの実技試験があります。対象は小1から高3の受験生まで。受験生は専門に進む、あるいは教育学部に進む生徒さんです。しかし小中学生は将来どうするかなんてまだまだ先の話。今はおけいこ事も多様化していますし、なぜかピアノの上手な子は地頭が良く進学校に進む生徒さんが多い。最終的には音楽以外の学部に進むケースが増えてきました。
もちろん音楽が好きで音楽高校/大学に進む生徒さんのフォローをしている音楽教室なのですが、将来専門に進むに当たって最低これだけはやっておいてほしい、という課題を必修にしています。それはバッハと音階です。
発表会やコンクールなどで自由曲に関しては良いのですが、音階を人前で弾くことはまずないでしょう。音階はとても大切で小学生のうちから、調号なし、一つまで…とレベルを決めて色々な調の音階を少しずつクリアしてもらっています。またどうしてもバッハのインベンションはじめ対位法の曲は普段の練習から抜けがちなので、こちらも短いものでも課題にしています。
試験はお辞儀をしても拍手がもらえないし独特な雰囲気で嫌なものですが、緊張するのもそれに慣れていくのも大切な経験です。これは案外音楽に限らず大きくなって社会のどの場面でも役に立っているようですよ。