短い曲は楽?
最初1ページの曲だったのが、教則本が進んで2ページの曲になると「何だか難しそう!弾けるかな?」という気持ちになりますよね。ページが少ない=易しいと思って、大学生でも課題曲の中から短いページの曲を選ぶ傾向がありますが、それは間違いかもしれません。極端な話、リピート記号のある1ページの曲とリピート部分をわざわざ2回楽譜にしてある、全く同じ曲かもしれないのですから!
いくつか候補がある中で曲を選ぶ時には、楽譜をまず「眺める」事をお勧めします。これは小さい生徒さんでも同じで、曲の中で同じ場所がどこか、メロディーがどこにあるか、メロディーと同じ動きをしている所がないかを楽譜を見て探してもらいます。普段のレッスンでは次の宿題の曲を一緒に観察しています。多くの曲には形式があり同じ部分がかなりあります。「こんなに同じところがあるならできるかも!」と思ってくれたら新しい曲にチャレンジできますね。
音符を読むのが得意な人だと、観察する事なしに最初の小節から音を出してしまいます。こういうタイプの人はバッハのインヴェンションになると苦手が出てくるかもしれません。楽譜を最初に眺めるとバッハこそ同じ部分がいくつも見つかり、譜読みが楽になります。曲の構成を意識することになるので仕上がりが早くなるように思います。
ある作曲家の先生は「楽譜は図形として見る」とおっしゃっていました。良い音楽は「楽譜がキレイ」なのだそう。そこは私には見分けがつきませんが、こんな風に楽譜を見るんだなぁと新鮮に感じました。確かに音符の上がる下がるを線で繋いでみると同じ部分が見つけやすくなります。