絶対音感って?
一時期「絶対音感」がもてはやされた時がありました。何らかの楽器の音を聞いて、それが「ソ」「ド」などと当てられる能力だと。テレビなどでは驚きを持って伝えられていましたね。
この「絶対音感」に憧れたのが私の親で、自分が絶対音感がなくて苦労したからと、私が小さい頃それをつけるべく教育をしたのだと言ってました。結果私は絶対音感があります。
どういう教育をしたの?とやはりピアノ教師だった母に大人になってから聞きましたが、和音を早いうちから聞き分ける訓練をしたのだそうです。
絶対音感を持っていると良い事とは何かというと、まず和声聴音に困らない、という事でしょうか?あとは暗譜、特に無調の音楽の暗譜が比較的得意になるとは思います。
ただデメリットもあります。一つの曲の中で調性が変わる時に鈍感になってしまうように思います。移動ドで育ってきた方の転調の感じ方は全く違うように思えます。
事実として、絶対音感のあるなしで良い音楽家にはなれないということはありません。パリで師事した先生は絶対音感がありませんでしたが、本当にうっとりする素敵な音楽性の持ち主でした。
絶対音感があるにしろ無いにしろ、それぞれのデメリットを補って自分の音楽を創り上げていくのだと思います。