フランスの夏期講習6

講習期間中、ソルフェージュの授業を一度だけサボった事がありました。前日コンサートに出て疲れていたのと、平日でないとバカンス中のフランスではどの店も開いておらず、講習会終盤のこの日、おみやげくらい買いたかったのです。

その夜のコンサートを聴きに行ってみると、ガルテンローブ先生が待ち構えていて会うなり叱られ、そして前日のコンサートの演奏を褒めていただいたのです。

これは本当に嬉しかった思い出で、なぜなら前日私が演奏したのは日本人作品、矢代秋雄のソナタだったから。もう終盤用意したレパートリーがなくなり、フランスで邦人作品を演奏するってどうよ?と内心ビクビクしながらコンサートで弾いたのでした。

ほぼ地元の人ばかりのお客様のコンサート、でも好評をいただいたのです。もちろん曲の素晴らしさを評価してくれて、私はこの曲を紹介できて誇らしく思いました。

後日、留学して知ったのですが、フランスは現代音楽のコンサートがとても多いです。初めて聞く曲を自分の尺度で評価する。これが出来るのがフランスのすごいところだと思います。

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