ヘ音記号に慣れてきたら
ピアノの楽譜には左手にヘ音記号がよく出てくるのに、ト音記号に比べてヘ音記号の譜を読んだり書いたりはあまりしません。視唱の本にもヘ音記号を扱っているのは滅多にないのですが、それでもヘ音記号にも馴染んでもらいたくて、伴奏で使う和音や2声の聴音を取り入れています。
しかし受験生でもこの2声の聴音や和声聴音で、特にヘ音記号の音が聞き取れないというのはよくある事で、まして低学年の生徒さんにはとっても難しい事です。でも嫌いにならない程度に、まずは左手の音から単独で書き、右手の音を書いていくという事を始めています。
以前見学させていただいたクラスで、幼稚科や低学年の生徒さんに教材の曲そのまま、原典楽譜を見せていて驚いた事があります。その時は全く分からなくてもいい、でも本物を見せておく、将来に向けて種を蒔いておく意味があります、と先生がおっしゃっていました。
普段はその生徒さんのレベルに目線を合わせるよう心がけていますが、時には将来に向けて少し「その先」を見てもらうのも大事な種蒔きなのかなと思います。