教えることば

同じ内容を伝えるにもいろんな言い方がありますよね。特に教える立場になると伝え方によって高圧的に相手が感じ、教育現場でも「モラハラ」「アカハラ」などが問題になる昨今です。

これはなかなか難しい問題で、自分が若い頃教わってきた「言い方」をそのまま使ったら今はアウトだな、と思うことが少なくありません。今の生徒さんに合わせた教える言葉ってどんなものだろう?

そんな考えもあって、時々自分が「教えてもらう立場」になることにしています。特に冬はスキーに行ってスキースクールに参加してみたりします。

これはなかなか面白い体験で、全く初めて会う先生のもとで少人数クラスで教わる。生徒さんの年代もバラバラ、先生の方が年下というパターンもあり、半日あるいは一日スキーを習う。お互い帽子やゴーグルをつけていて、表情も見えにくく「体の使い方を言葉によって教える」ことの良い観察になるのです。

さすがに今はどの先生でも命令口調でダメ出しするなんてことはなくて「〜してみましょうか」と言った提案型の言葉遣いが多いですね。褒めて伸ばす、というのは大人クラスでも同じようです。

興味深かったのは子供さん相手のクラスの先生で少し強めに生徒さんに要望を伝える時に「先生は〜してほしいです!」という言い方をしていたことでした。これは「i(アイ)メッセージ」と呼ばれるものですが、「〜してください」というより生徒さんには響くようでした。参考になります。

でも振り返ってみると、一番心に残ったのは言われた言葉ではなくて、かなりの高齢の先生がお手本で斜面を優雅に、全く力みがないターンを繰り返しながら美しく滑っていくシーンです。

言葉はもちろん大切、プラス私も生徒さんに見本で美しい音を聞かせられるように、精進しなければと思いました。