未来につなぐもの
昨年はコロナで帰省できなかった義実家へ、今年は1週間の休みを取りゆっくりと過ごしてきました。私は高校での寮生活を皮切りに留学、結婚、転勤と引越しが多い生活を続け、海外はもちろん日本の中でもこんなに文化が違うというのをその度に実感してきました。義両親の住む福岡は古くからの外国との交易の歴史があり、お正月の風情も関東とはまた違って楽しいものです。
年末年始のTV番組では昨年来のウクライナとロシアの戦争の話題がずいぶん取り上げられていました。私の実親は先の大戦での疎開の記憶がある程度なのですが、ほんの少し年上、当時から博多にいた義両親は多感な10代の頃。義父は学徒動員や空襲の記憶、義母は戦後の引き揚げ者を受け入れていた寺町での記憶を繰り返し語ってくれたものです。それは多分経験した人にしかわからない、生々しいものでした。
今は戦争の映像が世界中瞬時に飛び交う時代ですが、それでも私には想像を超えてしまう。もちろん義父母の話も想像を絶する話です。お正月のテレビを見ながら「戦争は絶対やっちゃだめ」とつぶやく義母は心を痛めている様子でした。
苦しい時に心の支えになるのも音楽ですが、やはり芸術は平和な世の中があってこそ。母のこの小さなつぶやきが世界中の若い人たちに届きますように。