この音は何の楽器?
フランスのソルフェージュ、特に「フォルマシオン ムジカル Formation Musicale」の講座を受講した時に驚いたのは、ソルフェージュ用の教則本を使うのではなく、例えばモーツァルトやラヴェルなどの作品から一部を取って教材にしていたことです。
ある時はドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」の冒頭部分を聞いて楽譜に書く(=聴音)をしたことがありました。テンポも拍子も教えてもらえずいきなり楽譜にするのは、かなり難しいです。そしてこのメロディーを演奏している楽器は何?と次々質問されるのです。
ピアノ以外の楽器をよく知らない事を痛感した授業でした。一つの楽器ならともかく、二種類の管楽器で演奏しているメロディーなどは聞き分けが難しかったのを思い出します。
うたの伴奏をしていると、時々オペラアリアの伴奏楽譜が来ます。実際のオペラを聴きながらこの左手は弦楽器、このメロディーはクラリネットなどと書き込みをします。その楽器らしい歌い回し、音質をイメージして伴奏することが大切ですからね。ここで楽器の当てっこをしたあの時の経験が生きてきます。動画ではオペラ歌手しか映らずオーケストラは映してくれませんから、耳が頼りです。